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長崎の鐘

2001.9.11
今さらだけどいろいろ
関係ないかもしれんけどね


たまに実家に帰ったとき 母親とたまにワインや梅酒割を一緒にたしなむ
独り暮らしの傘寿間近の母親は少し酔っぱらって小さ頃の父親 兄の想い出をいつも
嬉しいそうに語る
戦争がはじまり山口県の厚狭という所に住んでいたころの話だ
B-21という戦闘機が空を飛び 近くの宇部という僕が生まれた街の空が大空襲で真っ赤に染まって屋根に登って兄弟で空を見つめた



小学生のころ長女だった母はお父さんに毎日晩酌してたって
お父さんは芸術がすきでモダンで優しく愉快なひとで 本当にかわいがってもらって
お父さんが嬉しいそうに毎晩娘の晩酌をうけてうれしそうな笑顔が大好きだったって


戦争が終わりに近づいた頃 税務署に勤めていた父は山口の片田舎から広島の税務署に昭和20年8月5日に出張 そして8月6日に被爆  
広島の税務関連の方がなんとか実家に連絡をとり 厚狭という街からほとんど徒歩で予科練にいって肺結核となった長男に変わって次男とおばちゃん(母親の母親)でが負傷した父親を探しに広島へ
経緯は詳しく語ることはなかったが
焼け野原 死体 病人の野戦病院となった小学校のグランドの中 ケロイドと蛆と蝿で包まれた父親を奇跡的に発見できた 
ちょうど一週間後 自宅にいる子供達5人に逢いたいとひたすら願いうが苦しみぬいて治療の手段もなく亡くなった
ちなみに被爆後1週間以内に被爆地にはいった人間は多量の放射能をあび
すべて被爆者となった (のちにおばあちゃんもなくなるが死因の原因が原爆の影響である可能性が高かった)

それからおばあちゃんと次男で瓦礫の中から木を集め 
小学校のグランドで蛇尾に遺骨を金バケツに入れ徒歩で
ながい200キロを歩き自宅にたどり着いた

おばあちゃんが家の門にさしかかったとき笑顔で「お父さんが帰ってきたよと」
子供達に声をかけて 何も知らなかった母を含めた子供達が金バケツを抱いて
「お父さん」と泣きながら遺骨を兄弟で抱きしめた


その直後に長男も肺結核で亡くなる 
厚狭で武士の良家で有名だった家から勇んで予科練に参加したもの お坊ちゃんで
優しい兄は予科練で殴られ無理をし 体の抵抗力をなくし結核へとなり入院
宇部にある去年僕の父親がなくなった病院を死期ををさとってか退院し 厚狭まで徒歩で帰ってきた 幼い子供達は感染する理由でお兄ちゃんになかなか近づくことは許されない
そして 最後に僕の母親に「○○子 おっきくなったね やさしい人になってね」と
やせ細った体から笑顔で言ったそうだ

戦争が終わり 武士良家の母家にはつらい時期がさらにつづく
小作人法の改正でいままで貸していた田畑はすべて小作人のものとなり
財産と父親と長男を亡くした家には世間は手のひらをかえしたように冷たくなる
いじめもひどく ただただおばあちゃんは我慢つよく家族を守ったそうだ
芸大で画家を目指していた明るかった次男も原爆を体験し父と兄をなくしてから
性格が暗く以前のように語ることがすくなくなり ひたすら油絵で原爆時の悲惨な重いが伝わるような 心が張り裂けそうな絵を描き始めた
小さい頃それを見て幼いながらうやさしそうなおじさんから想像のつかない狂気を感じた 



おばあちゃんに亡くなる前に戦争のことを聞きに訪ねていたけど いつも答えは「しょうがない」
正直一度も悲惨なことや恨みつらみを聞くことがなかった
車の免許を持っている僕に息子がまつられている山口市にある護国神社につれていって
くれと言われ連れていって拝む背中で寂しさを感じたくらいだった

お婆ちゃんは二十年近く前亡くなった
亡くなった直後 入院先の職員さんからビデオを手渡された
亡くなる二週間前に入患者同士の懇親会が行われたカラオケ大会だ
元気な姿でうれしそうなおばあちゃん
なにも家族や僕らに語ることのなかったおばあちゃんが唄っていた

「長崎の鐘」
【作詞】サトウ・ハチロー【作曲】古関裕而

こよなく晴れた 青空を
悲しと思う せつなさよ
うねりの波の 人の世に
はかなく生きる 野の花よ
なぐさめ はげまし 長崎の
あゝ 長崎の鐘が鳴る

召されて妻は 天国へ
別れて一人 旅立ちぬ
かたみに残る ロザリオの
鎖に白き 我が涙
なぐさめ はげまし 長崎の
あゝ 長崎の鐘が鳴る

つぶやく雨の ミサの音
たたえる風の 神の歌
耀く胸の 十字架に
ほゝえむ海の 雲の色
なぐさめ はげまし 長崎の
あゝ 長崎の鐘が鳴る

こころの罪を うちあけて
更け行く夜の 月すみぬ
貧しき家の 柱にも
気高く白き マリア様
なぐさめ はげまし 長崎の
あゝ 長崎の鐘が鳴る


@今では長崎原爆と平和希求の歌として広く知られてる藤山一郎さんの歌
@おばあちゃんの遺言 死化粧は僕がやったよ かわいかったよ


僕らがかえないとね
カメ












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by nishinihon-mandom | 2008-09-13 12:11 | 幸せ日和 | Trackback
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